作業の途中で「こちらもお願いします」と頼まれたとき、今の作業を続けるのか、新しい作業を先にするのか迷うことはありませんか。
全部を同時に進めようとして、どれも途中になってしまう。期限を聞きそびれて、急いだほうがよいのか判断しにくい。就職に向けた訓練でも、こうした場面を考える機会があります。
この記事では、複数の作業を短く整理し、担当者と期限や優先順位を確認する方法を紹介します。自分だけで順番を決める前に、今の状況を伝えるところから始めてみませんか。
まずは「作業名・期限・現在の状況」を並べる
頭の中だけで作業を覚えておくのが負担になるときは、メモに並べる方法があります。ここで紹介する3欄メモは、この記事で提案する整理例です。しごとCLAN所定の訓練手順ではありません。
書くのは「何をするか」「いつまでか」「今どこまで進んでいるか」の3つです。きれいな表にする必要はなく、1作業ずつ短く書いても構いません。
次は、作業を整理した架空の例です。
期限が分からないところは、推測で埋めず「要確認」と残します。「今日中」と言われた場合も、何時までに、どこまで仕上げる必要があるのか確認しておくと、順番を相談するときに使えます。
全部を書くのが難しいときは、今取り組んでいる作業と、追加された作業の2つから整理してみてください。
期限と今の状況を伝えて、先にする作業を確認する
仕事の優先順位は、取り組む順番のことです。期限が近い作業に目を向けるだけでなく、担当者からの指示や、ほかの人の作業とのつながりも確認します。
たとえば、印刷した資料を使って次の作業を始める人がいるかもしれません。一方で、途中の入力作業を急に止めると、再開する位置が分かりにくくなることもあります。期限の早い順にすればよいと、一律には決められません。
今の作業と追加の作業を一緒に伝える
「どちらを先にすればよいですか」だけでは、相手に今の状況が伝わらない場合があります。作業名、期限、進み具合を添えて聞いてみます。
架空の会話例です。
順番が決まったら、「では、印刷を先にして、そのあと入力に戻ります」と短く伝え、認識が合っているか確認します。途中で切り替える場合は、入力を終えた位置など、再開するためのメモも残せます。
別の人から違う指示を受けたとき
複数の人から依頼されると、それぞれに「先にお願いします」と言われることもあります。後から頼んだ人の指示が優先だと、自分だけで判断せずに確認します。
「先ほどは入力を先に進める指示を受けています。今回の印刷も先に必要とのことですが、順番はどなたに確認すればよいですか。」
相手を責める言い方ではなく、受けている指示をそのまま共有する伝え方です。職場や訓練で相談する相手が決まっている場合は、そのルールに沿って確認してください。
作業が増えたときや、間に合わなさそうなときは再確認する
一度決めた順番も、追加の作業や進み具合によって調整が必要になります。最初に立てた予定のまま、すべてを引き受け続けなくても構いません。
新しい依頼が入ったら、メモに追記し、残っている作業と一緒に伝えます。予定より時間がかかっているときも、何が残っているのか、どこで時間がかかっているのかを短く整理します。
「印刷を終えて入力に戻りましたが、確認が必要な項目があり、残り12件は15時までに終わらない見込みです。順番や期限、今日仕上げる範囲について相談できますか。」
これは架空の伝え方の例です。終わる時刻がまだ分からなければ、無理に約束せず、そのことも伝えます。期限や作業範囲を自分だけで変えず、担当者と確認することが次の行動につながります。
訓練を通して、伝え方と取り組みやすい条件を考える
しごとCLANでは、実際の就職後の業務を意識した、報告・連絡・相談や模擬業務などの訓練を行っています。訓練を通して、得意・不得意や働き方の特徴を把握することも重視しています。
作業を進める経験は、「何を伝えると状況が共有しやすかったか」「どのような指示なら取り組みやすかったか」を考えるきっかけにもなります。たとえば、口頭の説明に加えて期限をメモすると確認しやすい、といった気づきです。
また、自己理解の支援では、得意・苦手、働くうえで配慮が必要なこと、自分に合う環境や働き方を整理します。ひとつの方法を正解にせず、自分が取り組みやすい条件を考えることを大切にしています。
次の作業で、期限と確認したい点を一つ書いてみる
まずは、今取り組んでいる作業を一つ選び、「分かっている期限」と「まだ確認したい点」を書いてみてください。複数の依頼があるときは、現在の状況も添えて、担当者と順番を確認します。
追加の依頼や予定の遅れがあるときは、残りの作業を伝えて再相談します。すべてを頭の中だけで抱えるより、相手と共有できる形を試していく方法があります。
就職に向けた訓練や、自分に合う働き方について相談したい方は、しごとCLANの公式サイトで相談窓口をご確認ください。作業を複数頼まれると順番に迷う、という具体的な場面を相談時に伝えることもできます。
しごとCLANの相談窓口を確認する参考:この記事は、指示の確認・作業の計画・進捗報告について、JEEDの支援者向け資料を参考にしています。3欄メモや会話例は、本記事で提案する一般的な整理例です。
JEED『作業管理支援の改良』(2026年3月、p30「行動観察シート(2025)」)
しごとCLANでは、自分の得意・苦手を整理しながら、就職に向けた準備を一緒に進めています。

