「働きたい気持ちはあるけれど、自分にはどのサービスが合っているんだろう?」
「就労移行支援と就労継続支援って、名前は似ているけれど何が違うの?」
障害やメンタル面の不調を抱えながらお仕事を探す際、こうした制度の違いで迷ってしまう方はとても多くいらっしゃいます。特に「A型」「B型」といった専門用語が出てくると、どれを選べばいいのか分からなくなってしまいますよね。
結論からお伝えすると、この2つの大きな違いは「目的」にあります。
- 就労移行支援:一般企業への就職を目指してトレーニングをする場所(学校のようなイメージ)
- 就労継続支援(A型・B型):すぐに一般企業で働くのが難しい方が、自分に合ったペースで働く場や機会を得る場所
この記事では、それぞれの特徴や給与・利用期間の違いをはじめ、「今の自分にはどれがピッタリなのか」がひと目で分かる比較表やフローチャートをご紹介します。
ご自身の体調や「目指したい未来」に合ったサポート選びのヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まずは結論!「就労移行支援」と「就労継続支援」の大きな違い
障害福祉サービスにおける就労支援には、大きく分けて「就労移行支援」と「就労継続支援」の2種類があります。
目的の違い(一般就職を目指す vs 働く場・機会を得る)
2つの制度の最大の違いは「利用する目的」です。
就労移行支援は、一般企業(障害者雇用枠・一般枠)への就職を目指す人が、必要なスキルを身につけたり就職活動のサポートを受けたりする「学校」のようなサービスです。
一方、就労継続支援は、現時点で一般企業で働くことが難しく、まずは自分に合った環境で働く実績を作ったり、作業を通して体調を整えたりしたい方に「働く機会」を提供するサービスです。
一目でわかる比較表
就労移行支援と就労継続支援(A型・B型)の違いを一覧表にまとめました。
| 項目 | 就労移行支援 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 一般企業への就職を目指す | 雇用契約を結んで働く | 自分のペースで作業する |
| 雇用契約 | なし | あり | なし |
| 給与・収入 | 原則なし (※訓練・学習支援のため) | 給与 (最低賃金以上を保証) | 工賃 (作業に応じた成果報酬) |
| 利用期間 | 原則最大2年間 | 制限なし | 制限なし |
| 対象年齢 | 18歳以上〜65歳未満 | 18歳以上〜65歳未満 | 制限なし (原則18歳以上) |
【就労移行支援】一般企業への就職を目指したい方へ
ここからは、各サービスの特徴を詳しく解説します。まずは「就労移行支援」についてです。
主な特徴とメリット
就労移行支援は、一般企業で働くための準備を行う場所です。具体的には以下のようなサポートを受けることができます。
- ✔ スキルアップ訓練:パソコン操作、ビジネスマナー、軽作業訓練など
- ✔ 就職活動サポート:履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、企業実習
- ✔ 定着支援:就職後も職場に定着できるよう、定期的な面談や会社との調整を実施
利用期間は原則「最大2年間」と決められており、明確な目標を持って効率的に就職活動を進めたい方に適しています。
どんな人におすすめ?
以下のような思いを持っている方は、就労移行支援がピッタリです!
- 「2年以内に一般企業(障害者雇用など)で働きたい」
- 「生活リズムや体調を整えて、就職への自信をつけたい」
- 「自分の強みや課題を理解し、どんな仕事が向いているか相談したい」
- 「現在休職中で、復職(リワーク)や再就職を目指したい」
【就労継続支援】自分のペースで働きたい方へ(A型とB型の違い)
次に、就労継続支援の「A型」と「B型」の違いを解説します。
就労継続支援A型(雇用契約あり)
就労継続支援A型は、事業所と「雇用契約」を結んで働くサービスです。
都道府県の最低賃金が保証されるため、しっかりとした給与を得られる点が大きなメリットです。原則として1日4〜5時間、週5日程度の勤務が求められることが多いため、一定の体力や生活リズムが整っている方向けとなります。
【向いている人】
一般就職にはまだ不安があるものの、毎日一定時間働くことができ、安定した収入を得ながらスキルを磨きたい方。
就労継続支援B型(雇用契約なし)
就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに自分のペースで作業を行うサービスです。
働いた分は「工賃」として支払われます。体調に合わせて週1日や1日1〜2時間の短時間から利用できる事業所が多く、ノルマなどに追われず安心して過ごせる環境が整っています。
【向いている人】
体調に波がある方、ブランクが長くまずは短時間から社会復帰を目指したい方、無理のないペースで自分の生活スタイルを整えたい方。
あなたにピッタリなのはどれ?失敗しない選び方フローチャート
自分がどのサービスを選ぶべきか迷ったときは、以下の質問に順番に答えてみてください。
Q1. 2年以内に一般企業(障害者雇用・一般枠)で働きたいですか?
- → はい:【就労移行支援】がおすすめ
- → いいえ / 分からない:Q2へ進む
Q2. 決められた勤務時間(週20時間程度〜)で雇用契約を結んで働く体力・体調がありますか?
- → はい:【就労継続支援A型】がおすすめ
- → いいえ / 不安がある:【就労継続支援B型】がおすすめ
ステップアップという選択肢もアリ
「最初から移行支援やA型に通うのはハードルが高い…」と感じる場合は、ステップアップしていく方法も一般的です。
たとえば、「就労継続支援B型で体調と生活リズムを整える」→「A型で働く習慣をつける」→「就労移行支援で一般企業への就職準備をする」といったように、段階を踏んで目標を目指すことができます。
迷ったらまずは専門機関や事業所に相談してみよう
文字による情報だけで自分に合ったサービスを1つに絞り込むのは簡単ではありません。
一人で悩まずプロに相談するのが近道
自分自身で判断が難しい場合は、お近くの障害福祉窓口(市区町村の担当部署)や地域障害者職業センター、または就労支援事業所に直接相談してみましょう。
専門のスタッフがあなたの現状や体調、希望をヒアリングした上で、最も適したサービスを提案してくれます。
見学・相談時に確認しておきたいポイント
気になる事業所が見つかったら、実際に「見学」や「体験通所」をしてみるのがおすすめです。チェックしておきたいポイントは以下の通りです。
- 事業所やスタッフ、通っている利用者の雰囲気
- 交通アクセスや通いやすさ
- 提供されているプログラムや作業内容が自分に合っているか
- 個別の悩みに寄り添ってくれる支援体制があるか
まとめ
「就労移行支援」と「就労継続支援(A型・B型)」は、一見似ているようで目的や働き方が大きく異なります。
- 就労移行支援:一般企業への就職を目指し、スキルアップや就職活動を行う場所
- 就労継続支援A型:雇用契約を結び、最低賃金を得ながら一定時間働く場所
- 就労継続支援B型:雇用契約を結ばず、体調に合わせて自分のペースで働く場所
大切なのは「周りと比べること」ではなく、「今の自分の体調やペースに合っているか」です。まずは気になる事業所の見学や相談から、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

